ニューノーマルといわれる時代、2020年に訪れた大きな変化によって、きっと誰もがあらためて大切さを感じ、絆を深めたのは、家族という存在。エドウィンを履いた家族がいま感じること、描く未来、それぞれの風景。親から子へ紡ぎたい言葉や想い、揺るがない愛とデニムの話。
Photo_Hideyuki Seta Edit_Yuki Sugawara(FMJ STUDIO)
vol.05.
岩西剛さん/Staple Room ディレクター・DIYクリエイター
うり ちゃん・12歳、いと くん・10歳
フリーランスでレンタルスタジオStaple Roomのディレクションをする傍ら家具のデザイン、DIYクリエイターとしてウェブメディアでの記事や、ワークショップにてDIYアイデアを提供している。
僕の親父は職人でした。一方で遊ぶことも沢山やる人で、ワーゲンに乗り釣りやキャンプによく連れて行ってくれました。そんな親父が、仕事の時も遊びの時も、毎日履いていたのがジーンズだったんです。だから自分も仕事はジーンズを履いてするものだと小さい頃から普通に思っていて、スーツを着る仕事なんて想像もしなかったですね。そうやって親父の背中を見ながら育ってきて、自ずとそのスタイルを受け継いで実際自分もいまジーンズを履いて仕事しているので、僕の子ども達も同じような道を辿るのかなと、何となく思ってます。
それから、子ども達にはモノを大切に使ってもらいたいと思っています。僕はアンティーク品を多く持ってるのですが、古いものは素材がよくて、だからこそ残るんですよね。いいものは残る。子ども達にはそうしたクオリティの真髄を伝えていきたいですし、いいものを見極められるように、教えていきたい。それを自分の場合は、親父から聞いてきたから。木材を扱う仕事をしていますが、素材が与える印象や効能を知ることによって、物の真髄が分かるんです。
小さい頃、親父がエドウィンを買っていたのもよく覚えてますし、「日本のジーンズもいいんだぞ」って、一緒に古着を買いに行ったり、もらったものも沢山あります。こだわりも強かったったから、オリジナルのジーンズを買ってきて、デッキブラシでガンガン擦ってヒゲ出してから履く、とかやってました。ジーンズと木材は似ていますよね。ジーンズも木材も経年変化を楽しめるし、育てていくという部分が似てるなと思います。